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本屋大賞発表!

昨日、2011年本屋大賞が発表されました。大方の予想通り(?)、『謎解きはディナーのあとで』東川篤哉(小学館)に決定。私も含めた、まわりの感想で一番多いのは「期待してなかったけど読んでみたら意外と面白かった」というもの。表紙の感じからも最近はやりのライトなお気軽小説かと思いきや、いや、たしかにお気軽な小説ではあるんだけど、嫌味にならない程度のキャラ立ちに好感が持てるし、謎解きもほどよい手ごたえだし、久々に楽しいミステリが読めたと素直に言える作品だった。ライトノベル寄りではなく、ライトだけど本格ミステリ寄りな感じ。本屋大賞受賞に文句はないです。文句ある人はたくさんいると思いますが。ともあれ、ドラマ化がすでに進んでることは確実ですね。しかし、東川篤哉さん、イメージしていたよりもずっと地味な雰囲気の方で意外でした。
by akuto9 | 2011-04-13 21:22 | ふらふら業務日誌

『原子炉時限爆弾』広瀬隆/ダイヤモンド社

いやいやいや、これは恐ろしい本だ。何が怖いって、これは昨年夏に出た本だけど、今回の原発事故の過程が完全に予測されているのだから。主に静岡の浜岡原発を想定して書かれているが、他の原発でも同様の危険があると警告している。今読むと背筋が寒くなるようなこんな記述もある。

「この最終原稿を書いている最中の2010年6月17日に、東京電力の福島第一原子力発電所二号機で、電源喪失事故が起こり、あわやメルトダウンに突入かという重大事故が発生したのだ。日本のマスコミは、(中略)この時は南アフリカのワールドカップ一色で、報道人として国民を守る責務を放棄して、この深刻な事故についてほとんど無報道だった。」
さらにこう続く。
「外部から発電所に送る電気系統が四つとも切れてしまったことが原因であった。勿論、発電機も原子炉も緊急停止したが、原子炉内部の沸騰が激しく続いて、内部の水がみるみる減ってゆき、ぎりぎりで炉心熔解を逸れたのだ。おそろしいことに、この発端となった完全電源喪失の原因さえ特定できないのである。この四日前の6月13日に福島県沖を震源とするかなり強い地震が原発一帯を襲っていたが、それが遠因なのか?」
そしてこの段落はこう結ばれている。
「事故当日には地震が起こっていないのに、このような重大事故が起こったのだから、大地震がくればどうなるか。」

……。著者の懸念は残念ながら実現してしまった。今回の事故は地震と津波が凄すぎたせいだと思っていたが、この経緯を見るとそうとばかりも言えないことがわかる。去年も同じような事故が起こってたんじゃないか!今回の事故は起こるべくして起こったものとしか思えない。
本書には他にも
「福島県の双葉断層は、日本最大の断層「中央構造線」の延長である」
「双葉断層に寄り添って、日本の原発で耐震性が最も低い270ガルで建設された福島第一原子力発電所が六基、そのすぐ南の福島第二原子力発電所が四基、合計十基という巨大原発基地となって、首都圏に電力を送っているのだ。」
と、危ない土地に巨大原発が建っていることの危険性を指摘している。なんでわざわざそんな場所に建設したのか?

もし今回の震災が起きなければ、こういう警告は「考えすぎ。大丈夫」とやり過ごされてしまっていただろう。しかし、起きてしまった以上、これだけの警告を無視して原発を建設・運転し続けた推進者の責任は免れない。いや、もはや責任がとれるレベルの問題ではなくなっている。

原発事故はあまりにショッキングな出来事だが、なにより、起こると(一部の人には)わかっていて警告もされていた事が起きてしまったということが最もつらいし、ひどいと思う。ぜひご一読を。
by akuto9 | 2011-04-07 00:56 | 意識朦朧書評