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息子と星新一

読書のことで私が最も後悔、というか残念に思っているのは、小学生時代に星新一の作品と出会えなかったことだ。もし出会っていたら、私の10代は星新一を読むことで充実した読書生活を送れたことだろう。それなので、自分の息子が本を読めるようになったら、絶対に星新一を読ませてやろうと思っていたのだが、ショートショートとはいえ、低学年には難しい漢字も多く使われているので、読ませるなら3・4年生になってからかなと感じていた。ところが先日、本棚にあった星新一の文庫に小2の息子がなんとなく関心を示していたので、試しに『きまぐれロボット』を渡したところ、一日で全部読んでしまった。「読めない漢字、結構あったんじゃない?」と聞くと「たくさんあったけど、なんとなくわかった」。「ちゃんと意味はわかったの?」「わからないのも多かったけど、なんとなくわかった」。というわけで、きちんと読解できたわけではないにしろ、それでも一冊読みきってしまうほどの魅力を感じたことは確かだ。これはもう、今から読ませられるぞと思い、今さらながら小学生向きの児童書版があることに気がついて、図書館でまとめて借りてきて渡したら、猛烈な勢いで次々読破し、食事も忘れるくらい読書に没頭しているのである。なんともうらやましい読書体験だ。自分ができなかったことを息子にやってもらって非常に嬉しいのだが、それにしてもうらやましすぎるなあ。
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by akuto9 | 2009-06-29 12:51 | 老体育児記

『チリモン博物誌』 幻戯書房

「ちりめんじゃこ」を買った時に混ざっている、様々な小さな生物に心ひかれたことは誰しもあるだろう。この本はそんな生物「チリメンモンスター」→「チリモン」について解説した画期的な本だ。タコやカニや魚などお馴染みのもの以外にも、「こんなのも混ざってるのか!」と気持ち悪くなるような不気味なものまで色々載っていてとても楽しい。ただ一つだけ難点をあげると、カラーが1ページもなく写真が少ないこと。やはり「チリモン」は色つきで見たいですよ!
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by akuto9 | 2009-06-17 22:35 | 意識朦朧書評

アイキュー84

発売当初から「1Q84」を「IQ84」だと勘違いして聞いてくる人はいたけど、最近その数が増えてきたような気が…。あまりに話題になりすぎて、普段はあまり小説を読まない層まで関心を持ってきたせいだと思ってるんだけど、今日は部活帰りの高校生が「1Q84売切れです」の掲示を見て「これ、アイキューはちじゅうよん、目茶苦茶売れてるんだぜ!」と得意げに仲間に話してました。
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by akuto9 | 2009-06-15 17:13 | ふらふら業務日誌

株の本が売れますよ

日経平均株価が久々に一万円台を越えたということで、いくつかの出版社さんから「個人投資家の人たちがやる気になるから、これから株の本が売れますよ!」と案内をもらった。ふーん、そういうもんかねーと話半分に流して聞いていたら、その晩、赤ん坊をおんぶした若いママさんが株の本をまとめて買っていく姿を目撃した。なるほど。おっしゃる通りのようです。
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by akuto9 | 2009-06-13 22:54 | ふらふら業務日誌

ほっとけーきはすてき

NHK「おかあさんといっしょ」の6月の歌、「ほっとけーきはすてき」(作詞・作曲/加藤千晶)がかなり素敵。曲はもろにブルース調で、ブルース好きにはたまらないのですが、子ども向けらしく優しいアレンジで、歌のおねえさんとおにいさんの柔らかい歌い方やイラストと合って絶妙。何度も何度も聴きたくなって歌いたくなる名曲です。
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by akuto9 | 2009-06-11 12:22 | 出鱈目音楽話

物分かりの悪い父

風呂場で小学2年生の息子が言うには、通学路から少し外れた秘密の抜け道があり最近は仲間とその道を使って帰っているとのこと。「どの道?」と聞いても「仲間以外の人には秘密なんだよ」と言って教えてくれない。その秘密の道を猛烈に知りたくなった私は「絶対誰にも言わないからお父さんに教えてくれよ」としつこく迫ると「しょうがないなー、絶対言っちゃだめだよ」と言って、湯気で曇った鏡に地図を書きはじめた。「ここに神社があって、近くに公園があるでしょ?こっちに行くといつもの信号なんだけど、ここに細い道があって、そこを…」と細かく説明してくれるんだけど、乱雑な地図の上に湯気ですぐ曇り雫も垂れてくるのでさっぱりわからない。「ごめん、公園の先からよくわかんない。もう一回説明して」と何回か頼んだのだが、やがて物分かり悪い私に愛想を尽かした息子にこう言われた。
「まったくもう、さっぱりわからない人だな、この人は!」
せっかく秘密を教えてくれたのにごめん。でもとりあえず、秘密の道を抜けると「和風スナック花ちゃん」の脇のゴミ捨て場に出ることはわかった。今日はそのゴミ捨て場に捨ててあった賞味期限ギリギリの生魚を仲間たちと眺めていたそうだ。
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by akuto9 | 2009-06-09 11:54 | 老体育児記

『1Q84』村上春樹/新潮社

なにやら社会現象のようになってしまってますが、ようやく読み終わりました。先入観なしに読んでほしいという配慮で事前情報が明かされなかったわけですから、自分も細かい内容については一切書きません。読み終えた後、自分が存在する世界の軸を激しく揺さぶられたような、居心地の悪い不安な気持ちになりました。物語が面白かったとかイマイチだったとか、そういうレベルの問題ではなく、世界観の見直しを迫ってくるような力を持った小説。私は90年代以降の村上春樹の長編にはあまり納得がいかなかったのですが、本作は久々に手応え十分。『1Q84』でついに村上春樹はドストエフスキー的領域に本格的に突入してきたなー、などと思ったのですがおおげさでしょうか?
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by akuto9 | 2009-06-07 19:36 | 意識朦朧書評