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『レインツリーの国』有川浩

新潮社。先日出た『図書館内乱』の作中に登場してくる本の実物版という設定で、出版社の垣根を越えたコラボレーションに注目。『内乱』は未読なのだが『レインツリー』だけで完全に完結しているので『図書館』シリーズを読んでなくても大丈夫。聴覚障害の女性と健聴の青年との恋。中身はそれだけでストレートな恋愛小説なのだが、すごくいい!物語は二人のメールやチャットを中心に進められるシンプルな構造だが、それでここまで読ませる筆力はさすが。個人的に昨年の『ナラタージュ』以来の当たり恋愛小説だ。
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by akuto9 | 2006-09-29 19:57 | 意識朦朧書評

戯言シリーズ限定BOX

お盆前に全国の書店員を困らせた(多分)西尾維新『戯言シリーズ限定コンプリートBOX』が無事入荷。なぜ困ったかというと講談社が事前注文を受け付けず、お盆前の三日間限定、電話のみ先着順で受注するという変則的なものだったからだ。チケット販売のように電話がつながらないうちに締め切られる可能性もあったため、予約を受けていた書店は電話がつながるまで気が気ではなかったはず。うちも三人がかりでつながるまで30分かかり焦った。もうこういうやり方はやめてくれ!商品は保護箱に入ってそのまま売るので実物が見れず残念。
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by akuto9 | 2006-09-28 23:51 | ふらふら業務日誌

平塚へ行こう!

京極夏彦の京極堂シリーズ本編久々の新作『邪魅の雫』が入荷。発売に合わせて「講談社ノベルス京極夏彦全作品解説書」という30頁ほどの充実した小冊子も配布しているのでファンの方はお早めに書店へ。今回異例なのは著者の発案で、作品の舞台である神奈川県大磯町・平塚市の書店でのみ「大磯・平塚地域限定特装版」が販売されること。中身は通常版と同じだがカバーデザインが異なる。他地域からも客注のみ注文できるが10月中旬の2刷になるので初版は現地に行かねばダメみたい。どれだけのマニアが平塚へ向かったのか気になるところだ。
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by akuto9 | 2006-09-26 23:23 | ふらふら業務日誌

なぜ入荷しないのか

注文した本はまだ入らないのか?という苦情は日常的にあって、その理由はさまざま。店の発注ミス、出版社の誤出荷、流通過程で行方不明、など業者側の問題も少なくないが、伝えた納期を憶えてなかったり、家族に伝言したのに伝わってない・留守電を聴いてないなどお客さん側の問題であることも多い。ひどいのは「他の店と勘違いしていた」というもの。今週連続してこのケースのクレームが発生し、一人はヤクザ風、もう一人は酔っぱらい。消耗した…。他の店に注文した本の入荷状況なんて知らん!勘違いは仕方ないけど、怒らないでくれ!
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by akuto9 | 2006-09-23 16:24 | ふらふら業務日誌

『配達あかずきん』大崎梢

東京創元社。元書店員が書いた、書店が舞台で探偵役も書店員の、本格書店員ミステリだ!いやはや面白かった。普通の本好きにも書店の裏事情が見えて面白いだろうが、書店勤め経験者なら、そうそう!あるある!のオンパレードではまってしまうこと間違いなし。書店の仕事と事件をうまく結び付ける手腕は見事。謎解きもなかなか。連作短篇で私は最後の「ディスプレイ・リプレイ」がいちばん良かった。巻末の書店員対談も楽しい。次作も楽しみだ!
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by akuto9 | 2006-09-21 22:35 | 意識朦朧書評

4000円もして買切な裸について。

4月に出て大好評だった叶美香写真集の第二弾が11月に発売になる。前回たんまり(というほどでもないが)稼がせてもらったので今回も!とチラシを見ると「完全買切につき返品できません」とある。うーん、今回は強気だな。書店業界以外では完全買切は当たり前だろうけど、この業界は委託制に慣れすぎているので買切商品の注文には及び腰になりやすいのだ。裏をかいて多めに取れば他の書店に差をつけれるかもしれないが、売れなかったら損失になるし張り切って仕入れた自分が恥ずかしい。ヌードだけに。また悩まされるはめになった。
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by akuto9 | 2006-09-18 13:13 | ふらふら業務日誌

「パーフェクトブック」って…

『斎藤佑樹投手「ハンカチ王子」パーフェクト・ブック』(講談社)、売れてます。突然人気者になるのも大変だな。かわいそうに。「日本のマスコミは、まだこれから将来のあるスポーツ選手を若いうちにちやほやしすぎてダメにしてしまう」という内容の文章をどこかで読んだことがあるが、今回の騒ぎでそれを思い出した。世間の騒ぎに左右されずに自分の野球道を進んでいってほしいものだが。
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by akuto9 | 2006-09-15 18:49 | ふらふら業務日誌

『サウンドトラック』古川日出男

やっぱりすごい古川日出男2003年の作品。二人の孤児が成長して東京を撹乱する。まるで村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』の進化形、とも言うべき迫力。ヒートアイランド現象で亜熱帯のような気候になり、洪水が多発し烏は繁殖し蚊が伝染病をばらまく近未来の東京が超リアル。外国人排斥・日本人美化が異常に盛り上がる西荻窪の様子も、最近の日本の傾向を見事に言い当てていて恐ろしい。こんな街で生き延びて行くには相当タフでなきゃやってられんな、と、たまに東京に行くたび疲れてしまう若オヤジは思ってしまうのである。
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by akuto9 | 2006-09-14 19:05 | 意識朦朧書評

『論破できるか!子どもの珍説奇説』松森靖夫監修(講談社ブルーバックス)。

例えば「夏はなぜ暑いのか」という単純なことを子供にきちんと説明できるだろうか?いや、子供に説明できなくてもいいから自分で理解はできているだろうか?全然ダメ。学校で習ったかどうかすら覚えてないや。本書は子供の思い込みによる面白い科学的間違いを、なぜそう考えてしまうのかを検証してから正解をわかりやすく教えてくれる。著者の、子供に対する温かい視線が感じられていい。夏は地球が太陽に近づくから暑いのではなくもっと複雑な要因による…。読んだのにまだ説明できそうにないや…。
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by akuto9 | 2006-09-13 15:30 | 意識朦朧書評

『キリハラキリコ』紺野キリフキ(小学館)

キリハラキリコという女子生徒の日記、という体裁をとった不思議不条理連作超ショートショート。2003年に第4回小学館文庫小説賞佳作、その後携帯サイトで連載して人気だったものに加筆したとのこと。小学館からの紹介文には「類稀なる才能」と書いてあったがさすがにそれは褒めすぎ。携帯サイトの連載で人気があったのはよく理解できるが、単行本で続けて読むとどうにも物足りない。その物足りなさこそ持ち味だと言われたらそれまでだが…。ともあれ、何もない作家だとは思わないので次作を待ちたい。中・長編を書いたほうが面白いかも。
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by akuto9 | 2006-09-12 13:46 | 意識朦朧書評