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プチプチ!

エンターブレインから新刊で『プチプチOfficial book』が入荷。「プチプチ」とは、あの、誰もが知ってる、指でプチプチ潰して遊ぶ梱包材のあれである。一冊まるごとプチプチ!本の帯もプチプチ加工のこだわりよう。配本が一冊しかなかったので刷り部数はかなり少なそう。書店で目撃したら迷わず手にとられたし!
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by akuto9 | 2006-07-30 09:56 | ふらふら業務日誌

『裸のランチ』バロウズ

退屈だけど面白い、という表現は矛盾なのかもしれないが、自分としてはこの言い方が一番しっくりくる。麻薬中毒者としての実体験に基づく様々な出来事・妄想・警句などが散りばめられ、明確なストーリーはなく物語としては極めて退屈。しかしそんな退屈な物語の中に浮かび上がる、輝く刺激的な言葉がたくさんあるのだ(もちろん翻訳者鮎川信夫氏のフィルターを通してであるが)。それらはビートニク・ジャンキー、ウィリアム・バロウズからしか出てこない言葉たちだろう。新幹線のおかげで、この退屈で面白い作品を読み通すことができた。
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by akuto9 | 2006-07-26 14:45

駅弁そして裸の「ランチ」

東京駅から新幹線に乗る。駅の書店で車内で読む雑誌か本を物色したが、駅弁屋で見た「夕刊フジ特選おつまみ弁当第2弾」(1000円)が忘れられず、予算は弁当に費やすことに決定。確かにビールに合って美味しかった。満足。だが新しく読むものは買えなかったので、家から持ってきたバロウズ『裸のランチ』(河出文庫)を仕方なく読む。だいぶ前に買っていたが、退屈だとわかっていたので読まないままだったもの。新幹線という密閉空間なら強制的に読むだろうと思い持ってきていた。予想通りストーリーはないに等しく退屈。でも面白い(続)
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by akuto9 | 2006-07-26 14:21

ガーシュインに泣く

小田急ロマンスカーに乗る機会があり、ビール片手に夕暮れの車窓から外を眺めCDを聴いていると、フランク・シナトラ歌うジョージ・ガーシュインの「SOMEONE TO WATCH OVER ME」で泣けてきた。歌も演奏も素晴らしいんだけど、やっぱりこのメロディー。いやはやガーシュインは天才だ。
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by akuto9 | 2006-07-25 18:27

『冠婚葬祭のひみつ』岩波新書

斎藤美奈子は文章も視点も飛び抜けて面白い。今度の新刊は冠婚葬祭がテーマ。市販の冠婚葬祭本には、常識・しきたり・世間の相場などたくさんのきまりが書いてあるが、それらは決して日本古来の伝統などではなく極めて浅い歴史しかない、ということを看破していて痛快。かつて私はお祝い事に関して「非常識」だと親類に説教され納得できなかったことがあるが、彼の論拠は「冠婚葬祭の本に書いてあるだろ(お前は本屋のくせに!)」というものだった。だが本書で冠婚葬祭本の記述の歴史的正当性はないことがわかり溜飲が下がった。
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by akuto9 | 2006-07-23 21:08 | 意識朦朧書評

『世界最悪の旅』

1912年南極点到達後に遭難した英国スコット隊に参加し、行方不明のスコットの遺体を発見した動物学者チェリー・ガラードの南極記。寝袋が瞬時に岩のように硬くなってしまう極寒の世界は読むだけで寒さを感じるほど。現在のように防寒装備が満足でない時代の探検は想像を絶するものだ。それでも未知の世界への興味と冒険心で困難に耐え抜く誇りある隊員たちの姿に胸を打たれる。スコット隊は本当にあと少しのところで帰還できたんだな。残念。ガラードの淡々とした文章が、この悲劇の遭難を記すにはふさわしい。(中公文庫)
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by akuto9 | 2006-07-21 13:31 | 意識朦朧書評

予定が狂う

極楽とんぼ山本の事件のせいで来週放送予定のドラマ『東京タワー』が無期限延期になった。ドラマの反響を見越して八月にたくさん売ろうと思い、頑張って仕入れていたのに…。予定が狂ってしまった。八月の書店売上は全国的に不振だぞきっと。一視聴者としても楽しみにしていたのに…。困ったもんだ。リリー・フランキー氏自身がこの事件についてどう思っているか興味がある。
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by akuto9 | 2006-07-20 22:56 | ふらふら業務日誌

第135回芥川賞・直木賞について

両賞は出版業界活性化のためのイベントだから書店員なら誰しも一家言あるだろう。そこで私も一席。
世間一般的には直木賞より芥川賞の方が格が上というイメージがあるような気がするが、書店にとっては直木賞の方がはるかに重要である。芥川賞作品は受賞時にはまだ単行本になっていない場合が多く、しかも翌月の『文藝春秋』に全文掲載されてしまうので、本の売れ行きはあまり伸びない場合が多い。「純文学」系であまり面白そうに感じない、ということもあるだろう。綿矢りさのような例はかなり稀なのだ。だから最近の私は「まあ、芥川賞はどうせ売れないから誰がとってもいいや」という怠慢かついい加減な態度で臨んでいる。
 一方、直木賞の場合、受賞作は既に発売されており、作家も既に活躍している人気作家であることが多いので、発表後すぐに本が動き出す。そのため、(候補作だけでなく既刊本も含めた)事前の予想注文、事後の追加注文が欠かせず、かなり気を使うのだ。
今回の場合、私は伊坂幸太郎『終末のフール』が受賞に違いないと早い段階で判断して商品確保に努めた。ところが候補作は同氏の『砂漠』。これは私の大好きな作品ではあるが、直木賞選考委員のお年寄りが評価するとは思えず、候補作発表後、受賞予想を伊坂氏から森絵都氏に変更した。結果的に森氏は受賞し予想は半分当たったことになるが、候補作発表は6月末。2週間後の発表までの商品確保には限界があった。森絵都氏も三浦しをん氏も優れた作家なので両名の受賞に文句はないが、今回の直木賞最大の問題点は『終末のフール』が候補にあがらなかったことにあると思っている。まあ、伊坂氏は超人気作家だから集めた商品が不良在庫化することはないからいいのだが(そこらへんも考慮して集めていたわけです)。
ちなみに森氏を予想した理由は、昨年、角田光代氏が受賞したから傾向としては森さんはアリだな、実力は十分だし、というテキトーなものだったが、発表されてみると芥川賞の伊藤たかみ氏が角田氏と夫婦だった、というおまけがついて驚いた次第。
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by akuto9 | 2006-07-17 15:55 | ふらふら業務日誌

『新しい生物学の教科書』(3)

環境問題が重要なのは人間自身にとってであって、地球は何とも感じていない。「地球に優しい」とか「エコ」を掲げる企業がなんとなく胡散臭いのは、「環境保全は人類の利益継続のためだ」という本質を隠して「地球」やら「自然」やらをダシに使って自らのイメージアップを図っているのが露骨に透けて見えるからなんだろう。過去の絶滅は地殻変動や隕石衝突が原因と考えられるのに対し、人類の絶滅は自ら引き起こすだろう点で過去の生物より間ぬけなんだろうな。環境「保護」なんて、地球にとっては笑止千万なのではないだろうか。
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by akuto9 | 2006-07-14 11:19 | 意識朦朧書評

『新しい生物学の教科書』(2)

また同書の次の箇所も新鮮だった。「放射能をまき散らしても、汚染物質をまき散らしても、人間を含めた一部の生物が病気になったり減少したり絶滅したりするだけで、生態系自体はそれを組み込んだ新たな安定点へすべっていくだけの話だから、別にどうということはないのである。2.5億年前のペルム期末の大絶滅の際も、6500万年前の白亜期末の大絶滅の際も、生態系はそのようにして、こともなげに存続してきたのである。現在の生態系を保全するのは生態系のためではなく、人類の安定的な生存のためなのだ」。スケールの大きな見方である。
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by akuto9 | 2006-07-13 19:14 | 意識朦朧書評