<   2005年 11月 ( 18 )   > この月の画像一覧

不可能なこと

子供と赤ん坊がダブルで中耳炎にかかる。風邪も併発して、看病でへろへろになる。なんたって薬を嫌がるんだから治るもんも治らない。嫌な気持ちはよくわかるんだけど心を鬼にして無理矢理飲ます、をしたいんだけど、飲みたくないものを無理矢理飲ますってほとんど不可能に近いことがよくわかっただけ。自分で鼻がかめないというのも可哀相なものだ。早く良くなるといいのだが。
[PR]
by akuto9 | 2005-11-28 22:54 | 老体育児記

ジャニーズとヤプーと肉弾娘

最寄り駅近くのイベント会場で某ジャニーズグループのコンサートがあったようで、私が停車中の電車内で出発を待って本を読んでいると、若い娘たちがわらわら乗り込んで来てたちまち車内は娘率95%を越え、男一人非常に居づらい雰囲気になった。なにしろ私が読んでいた本は『家畜人ヤプー』である。「こりゃ想像してたよりも凄いマゾ小説だなあ」と感服してる最中に、哀れな人面団扇と化したジャニーズを片手に興奮して車内で携帯をかけまくる栄養の行き届いた立派な体格のお嬢様方に囲まれて身の危険を感じたヤプー書店員33歳であった。
[PR]
by akuto9 | 2005-11-27 22:14 | ふらふら業務日誌

三島由紀夫とは…

美文を駆使する天才作家、同性愛者、マッチョ、など三島由紀夫に対する一般的な先入観は排して、作品そのものを驚くべき直感と分析力で読み込んでゆき、三島由紀夫という人物を丸裸にしていく。そこに居るのは偉大な天才作家・三島由紀夫ではなく、一人の屈折した孤独すぎる男の姿である。彼はなぜ自死しなければならなかったのか、なぜマッチョになろうとしたのか、など三島に関する数々の疑問が解けてゆく。恐るべきは三島由紀夫よりも橋本治の方で、くどくしつこく真相に迫る彼の分析の対象にだけはなりたくないものだ。
[PR]
by akuto9 | 2005-11-24 11:05 | ふらふら業務日誌

「この秋゛ミシマ゛が熱い!」

とは新潮文庫の売り文句で、『春の雪』映画化にちなんで三島由紀夫を盛り上げようとしている。実際文庫はよく売れているし関連新刊も多く出ているので盛り上がってはいるんだろうが、果たして三島文学は大勢の人に支持されるような性質のものだろうか?との疑問を持っていた私にとって『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』橋本治(新潮文庫)は、彼について考えるための最適な教科書となった。これは恐ろしい本で、三島作品を一つも知らない人が読んでも「三島由紀夫」という人物の核心に迫れてしまうとんでもない評論だ。(続く)
[PR]
by akuto9 | 2005-11-24 10:58 | ふらふら業務日誌

割烹着

最近少し料理をするようになったので、妻が割烹着を買ってくれた。昭和のお母さん風に白い割烹着も一興だが、今は色々な種類が出ているので男が着ても違和感のない色でポケットがたくさんついた機能的なものを購入。これを着て作業をしていると頗る気分がよい。赤ん坊を抱っこしていると保育士になったようで実に楽しい(実は保育士にもなりたかったのだ)。本屋の仕事も割烹着スタイルでやったらさぞや楽しいことだろう。服の持つ力というものを私にしては珍しく実感し、コスプレをする人達の気持ちが少しだけわかったような気がした。
[PR]
by akuto9 | 2005-11-18 14:32 | 老体育児記

今日の名言其ノ三

「自分で殺せば「犯罪者」だが、人に殺させれば「権力者」である。」
『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』 橋本治 (新潮社)
[PR]
by akuto9 | 2005-11-17 19:12 | 今日の名言

『人のセックスを笑うな』 山崎ナオコーラ(河出書房新社)

『野ブタ。』と同じく昨年の文藝賞受賞作。挑発的なタイトル/ペンネームに反して、内容は退屈な恋愛小説。39歳既婚の美術学校女性講師と19歳の青年とのまったりした恋が青年の視点から語られる。こういう小説は嫌いだ。で、結局何なの?と文句の一つも言いたいのだが、著者は事前に『「で、結局何が言いたいの?」と思ってくれたら、嬉しい』と受賞の言葉で先手を打っているので何も言えない。思う壷だ。したたかな新人である。ところどころでいい文章もあったが、もうこの人の小説は読まないだろう。
[PR]
by akuto9 | 2005-11-16 12:24 | 意識朦朧書評

『野ブタ。をプロデュース』 続き

小説は、一人称の独白が調子にのりすぎて著者の自己満足になっている箇所が鼻につくが(「辻ちゃんと加護ちゃんが卒業らしい」で始まるのは恥ずかし過ぎ)、若い作家のデビュー作と思えば許容範囲。『ライ麦畑』の系譜に連なる「きれいごとじゃない青春小説」の正しき後継作品として今後の定番になるかも。だが、やや未熟なデビュー作がこれほど売れてしまうのは作家にとって良いことなのかどうか心配になる。プレッシャーに負けずに更なる問題作を発表してほしいものだ。人の神経を逆なでする非凡な才能を確かに持っているのだから。
[PR]
by akuto9 | 2005-11-14 08:42 | 意識朦朧書評

『野ブタ。をプロデュース』 白岩玄(河出書房新社)

まさかのドラマ化でロングセラー街道爆進中の本作は一年前の「文藝賞」受賞作。ただしドラマは設定だけ借りた別物になっていることは注記せねばなるまい。忠実にドラマにしたらあちこちからクレームが殺到するような毒のきいた原作だから仕方ないが、換骨脱胎したらこの小説の価値はなくなるんだけどな。まあ現代の高校生の皮肉な日常の一面をユーモアたっぷりかつ冷静に描いているところを買われたんだろう。ジャニーズ連中の活躍する舞台を提供するために学園ものに飢えてるんだろうから。TV局は。(続く)
[PR]
by akuto9 | 2005-11-13 19:29 | 意識朦朧書評

『軍艦島の遺産』長崎新聞社

少し前に廃墟の写真集がよく売れ、「廃墟ブーム」と言われたが、数ある廃墟の中でも長崎県端島、通称「軍艦島」の魅力は群を抜いている。多くの廃墟が、廃墟になったことによって魅力的な存在になったのに対し、軍艦島は島全体がまるまる炭鉱基地だったその事実そしてその威容からして圧倒的存在感があり、仮に廃墟にならず操業を続けていたとしても多くの人を魅了したに違いない。本書は軍艦島で幼少期を過ごした人達による貴重な記録であり、島への愛情が随所に感じられる。写真集『軍艦島』(淡交社)と合わせて、島の往時を偲びたい。
[PR]
by akuto9 | 2005-11-11 14:21 | 意識朦朧書評