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『魔法のボタン』石田衣良

これも『I LOVE YOU』から、石田衣良『魔法のボタン』。広告会社出身だから当然といえば当然だが、彼の作品は常に綿密なマーケティングに基づいて書かれてる雰囲気が強い。この短篇でも下北沢やらオープンカフェやら、わざとらしく出てくる。並の作家の作品ならそれだけで鼻白んでしまいそうだが、石田衣良は上手くて面白いもんだから始末が悪い。マーケティング臭さが気になるんだけど面白いから仕方がない、という複雑な読後感をいつも抱いてしまうな。まあ面白ければいいんだけどね。この短篇はちょっとやっつけ仕事っぽい気がしたが。
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by akuto9 | 2005-08-31 19:12 | 意識朦朧書評

『透明ポーラーベア』伊坂幸太郎

これもアンソロジー『I LOVE YOU』から。六人の人気作家のトップを飾っていることが最近の彼の勢いを物語っている。作品だが、物語の核となる主人公の姉がとても魅力的なのだが、それがこの短篇ではうまく描き尽くせておらず、物足りなさが残る。まあ「面白いけど物足りない」というのは、私の伊坂作品への共通した感想なのだが…。姉の元カレの「ビートルズを聴け!」という台詞は最高だけどね。ともあれ、伊坂幸太郎はそのうちものすごい作品を書いてくれそうな気がするので、期待して待ってます!
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by akuto9 | 2005-08-29 21:52 | 意識朦朧書評

中田永一/乙一?

祥伝社の恋愛短篇アンソロジー『I LOVE YOU』に参加している中田永一という聞き慣れぬ名の作家が、実はあの鬼才・乙一の変名だとの噂を聞き、早速読む。作品の雰囲気といい、筋運びといい、スニーカー文庫での乙一の作品に似ているため、確かにこれは乙一だと確信(違ったらごめん)。それにしても、これは見事な短篇!隙のない緻密な構成で、穏やかに見える物語の裏に人生の毒を練り混んである。やっぱ短篇の名手、乙一の仕事だと思うよ(中田永一は本名?)。ただ『百瀬、こっちを向いて』というタイトルだけはどうかと思う。
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by akuto9 | 2005-08-28 08:56 | 意識朦朧書評

雑誌の花形

映画版『NANA』のプロモーションで、雑誌の表紙に中島美嘉&宮崎あおいコンビが出まくってかなりインパクト強く華がある。例えば『スターウォーズ』がどんなに人気があっても女性ファッション誌の表紙を飾ることはないわけで、彼女達はファッションリーダー的存在でもあったから違和感なく表紙に立ち、映画の宣伝もでき一石二鳥、効果絶大である。やはり雑誌売場の花形選手は女性ファッション誌だとの認識を新たに。女性誌を中心に雑誌売場は回っているのだ。
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by akuto9 | 2005-08-27 08:08 | ふらふら業務日誌

白鳥の湖

『赤すぐ(赤ちゃんのためにすぐ使う本)』最新号によると、母親の悩み第一位は、赤ちゃんが寝てくれないことらしい。まさにその通り。うちも赤ん坊を眠らせるのに毎日苦労している。さて、ある日曜の朝「題名のない音楽会」で「白鳥の湖」が流れたところ、今まで起きていた赤ん坊がスヤスヤ眠りはじめた!もしやと思い夕方には同曲のCDをかけると、これまたよく眠る。さらに次の日、私の耳ざわりな鼻唄バージョンの「白鳥」でも寝ていった!恐るべし「白鳥の湖」!チャイコフスキー先生、ありがとう!まあ、偶然だとは思うが…。
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by akuto9 | 2005-08-24 14:36 | 老体育児記

男の夢?

先日テレビで某俳優が、カブトムシをたくさん飼育していることを自慢していて
「カブトムシは男の夢だ」と言っていた。それは違うな。
森や林に分け入って自らの手で捕まえてこその「男の夢」なのであり、
金にまかせて外国産輸入カブトを買いあさる奴にそんなこと言う資格はないな。
カブト・クワガタブームの主要購買層は30代男性だそうで、
「子どもの頃は図鑑でしか見れなかった外国の昆虫が手に入るようになった
ので嬉しい」と言っていた人もいた。私はとにかく自分で捕まえることが
至上の喜びだったし、みんなそうだと思っていたので、同世代男性が
金で虫を買って喜んでいる姿が全く理解できないのだ。
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by akuto9 | 2005-08-22 21:53 | ふらふら業務日誌

吠える鯨

最近、児童書で「オヤジギャグ」や「ダジャレ」の新刊が続いたので、小学生の間で流行ってるのかなーと思っていたら、昨日スーパーで、近くにいた女の子が唐突に「ホエールが吠えーる!」と叫んだ。とても楽しそうな笑顔だった。なるほど、本当に流行っているようだ。
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by akuto9 | 2005-08-20 23:01 | ふらふら業務日誌

アナーキー・イン・U. K.

よくスーパーのBGMで昔の洋楽ヒットのスカスカのカラオケバージョンを流してる。英米の人が聞いたら何故こんな懐メロを日本の田舎の店で?と思うんだろうな。まあそれはいいとして、うちの店が入ってるスーパーは曲目にSEX PISTOLSの「ANARCHY IN U.K.」と「GOD SAVE THE QUEEN」が入ってるんだよ。I WANNA DESTROY!とかNO FUTURE FOR YOU!って歌詞なのに、歌なしとはいえいいのかなーと気になる。パンクの名曲も異国の田舎で換骨奪胎されてますな。それもまたパンクっぽいと言えなくもないか?
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by akuto9 | 2005-08-19 19:14 | 出鱈目音楽話

『DEATH NOTE 』について(続々)

神は問題とされず、常に登場する死神さえもデスノートを意味づけるための材料にすぎない。神の存在は問われず、神の不在を前提に進行する物語の軽さはとても日本的で、日本だからこそ生まれ得た問題作と思う。ここで問われているものがあるなら、それは神ではなく「倫理」だろう。奇しくも同じ「死神」を材料に使った伊坂幸太郎が極めて倫理的な作家であることも偶然ではなく、今の日本の優れた作家の最大の関心事の一つが「倫理」の問題にあるからだ、という気がするのである。(終)
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by akuto9 | 2005-08-18 18:30 | 意識朦朧書評

『DEATH NOTE 』について(続き)

死神が人間界に落としたノート。このノートに顔を思い浮かべながら相手の名前を書くとその相手は死ぬ…。ノートを拾った秀才高校生が、犯罪者の処刑を始める、という話。神が本当に存在するなら何故この世にかくも悪がはびこっているのか、という問いは結構古典的な文学テーマだが、この作品の主人公はそこらへんの悩みはスッ飛ばし、さっさと自分が「神に代わって」処刑を始める。そこに葛藤はほとんどなく、物語は主人公とそれを阻止しようとする捜査陣との知的なバトル・サスペンスに終始する。(さらに続く)
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by akuto9 | 2005-08-17 14:17 | 意識朦朧書評