『おとうさんがいっぱい』理論社

三田村信行・著。星新一を思わせる不思議な読後感の短篇集で、1960年代の作品なのに古さを感じさせない。ハッピーエンドにならないビターな結末がとても印象的で、特に、夫婦喧嘩の末に壁の中に消えてしまったお父さんと息子の交流を描く「かべは知っていた」は忘れがたい傑作。その他の作品も、すぐに「世にも奇妙な物語」とかでドラマ化できそうな不思議作揃い。児童書でしか読めないのは非常にもったいない。そして子供時代にこの本に出会えた人はラッキーだなと思った。
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by akuto9 | 2008-10-14 17:06 | 意識朦朧書評


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