『ちくま』8月号で、佐野眞一が痛烈な秋元康批判をしている。彼の指摘するように、美空ひばりの生前最後のシングル『川の流れのように』を作詞したことによって、実力以上に持ち上げられた評価になっているなーと前から感じていた私にとっては痛快な批判だった。ひばりファンらしい佐野氏は『川の〜』を「駄作」とまで断言しているが(私はそこまでは思わないが、深みがあるようで実はあまりない、とは思っていた)、たくさんの名曲を残しているのに、彼女の映像がテレビで流れるときはたいてい『川の〜』が使われるのは残念なことだ。AKBのプロデュースについても「女衒」呼ばわりをしていて「それはちょっと言い過ぎでは…」と引いてしまうような罵倒が続いていて面白い。よくも悪くも佐野眞一節だ。最後に、この佐野氏の文章は、被災地を蔑ろにしてバカ騒ぎを垂れ流すテレビ局への批判であることを付け加えておく。