『いねむり先生』伊集院静/集英社

80年代半ば、妻を亡くして無気力になっていた著者とおぼしき男が、作家色川武大と出会ったことをきっかけに少しづつ立ち直っていく様子を書いた作品。自伝的小説ということなので、エピソードの多くは実際にあったことなのだろう。
私は色川武大が好きだったので、とても面白くこの作品を読むことができた。小説中に何度も色川氏の人間的魅力が語られ、多くの人たちに愛されていたことが記されている。私も、正直に言って彼の残した小説群よりも、エッセイ『うらおもて人生録』(新潮文庫)から読み取れる、人間・色川武大の方にずっと魅力を感じていた。生前の色川氏と深い交流を持てた伊集院氏がうらやましいなと感じた。
現在、色川武大の作品は、よく読まれているとは言い難い状態なので、これをきっかけにして読者が増えればいいなと思っている。
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by akuto9 | 2011-05-15 20:00 | 意識朦朧書評


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