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息子と星新一

読書のことで私が最も後悔、というか残念に思っているのは、小学生時代に星新一の作品と出会えなかったことだ。もし出会っていたら、私の10代は星新一を読むことで充実した読書生活を送れたことだろう。それなので、自分の息子が本を読めるようになったら、絶対に星新一を読ませてやろうと思っていたのだが、ショートショートとはいえ、低学年には難しい漢字も多く使われているので、読ませるなら3・4年生になってからかなと感じていた。ところが先日、本棚にあった星新一の文庫に小2の息子がなんとなく関心を示していたので、試しに『きまぐれロボット』を渡したところ、一日で全部読んでしまった。「読めない漢字、結構あったんじゃない?」と聞くと「たくさんあったけど、なんとなくわかった」。「ちゃんと意味はわかったの?」「わからないのも多かったけど、なんとなくわかった」。というわけで、きちんと読解できたわけではないにしろ、それでも一冊読みきってしまうほどの魅力を感じたことは確かだ。これはもう、今から読ませられるぞと思い、今さらながら小学生向きの児童書版があることに気がついて、図書館でまとめて借りてきて渡したら、猛烈な勢いで次々読破し、食事も忘れるくらい読書に没頭しているのである。なんともうらやましい読書体験だ。自分ができなかったことを息子にやってもらって非常に嬉しいのだが、それにしてもうらやましすぎるなあ。
by akuto9 | 2009-06-29 12:51 | 老体育児記


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