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『レコードコレクターズ』5月号の特集「20世紀のベストギタリスト100」を読んでいたら、近くに10歳の息子がいたので、「第1位のギタリストは誰だと思う?」と聞いてみた。
息子「知らないよ、そんなの」 私 「ジミ・ヘンドリクスだよ。ジミヘン。聞いたことない?」 息子「シミセンなら知ってるけど…」 私 「シミセンって何?」 息子「市民センターだよ!」 子供達の間では「シミセン」で通ってるらしい。知らなかった…。 それにしても、今日の日食観察用グラス(メガネ)の問い合わせ数は凄まじかった。日食直前になって、テレビでガンガン報道しているせいだと思うが、昨日最後の一つが売切れてもうない。だいぶ前から置いていたのに、ついこの間までみんな素通りしてたのに、見事なまでの駆け込み需要。こんなことならもっと大量に仕入れておけばよかった…。買った人が無駄にならないように、晴れるといいですね。
こわーい地獄の絵本がまさかのベストセラー。私もこどもの頃、父の本棚の美術全集に載っていた地獄絵図を見て怖い思いをした。無害な絵本がほとんどの中で、この地獄絵本は完全に異色だ。大人もぜひどうぞ。店頭で大きな声で子供に読み聞かせているお母さんがいたが、怖いからそれはやめて。
本屋大賞受賞作の『舟を編む』、大変よく売れています。受賞発表後の反応のよさは、過去の受賞作の中でも最高ではないでしょうか。辞書編纂という地味な舞台が、かえって幅広い年齢層の関心を引いているみたいです。私個人の感想は、以前書いたように「物足りない」というものなので、こんなに売れていいのかなーと思ってますが…。本屋大賞後のテレビで、ある書店員が「書店員が自信を持っておすすめできる作品」とコメントしてましたが、私は自信を持ってはおすすめできません。2位の『ジェノサイド』の方を読んでほしいところです。まあ内容が違いすぎるので比べても意味ないですが。
仙台の出版社「荒蝦夷」(あらえみし)は、取次を通さず直接書店と取引する形を取っている。東北関連の本を中心に発行していることもあり、荒蝦夷の書籍を店頭で手にする機会は、全国的に見ればかなり少ないと思われる。数年前『このミステリーがすごい!』に高城高の『X橋付近』がランクインした時、初めて全国的に注目されたが、今回の『仙台ぐらし』の注目度はその時の比ではない。
震災後、被災した事務所から避難しながらも精力的に出版活動を続けた荒蝦夷に対して先日、第八回出版梓会新聞社学芸文化賞が贈られた。一方、仙台在住の作家伊坂幸太郎氏は震災後、震災そのものに関わる発言や作品発表をあまり行わないできた。そんな中、伊坂氏の震災後初の単行本が荒蝦夷から発売された、しかもタイトルがずばり『仙台ぐらし』というのだから、これは見逃せない。 もともと震災とは関係なく荒蝦夷発行の『仙台学』に連載されていたエッセイがメインの内容。本当は昨年春発売予定で計画が進んでいたが、震災のため延期になり、延期になったことで震災に関わるエッセイと被災地を舞台にした短編「ブックモビール」が追加収録されることになった。 このエッセイは、伊坂氏の人柄がよく表れていて大変面白いものだが、やはり注目は短編の「ブックモビール」。今のところ、伊坂氏が被災地を舞台にした作品を書いたのはこの作品のみである。とはいえ、震災そのものをテーマにした作品ではなく、被災地を舞台にいつもの伊坂節が冴えた楽しい作品となっている。この作品の直前のエッセイ「震災のこと」の最後は「僕は、楽しい作品が書きたい。」という言葉で終わっている。ここに、伊坂氏の作家としての強い決意を感じる。オンライン書店ではbk1のみの販売となっている。ぜひ読んでいただきたい一冊だ。 BOOK1文庫の発売により、BOOK2と3の単行本がまたよく売れ出した。来月のBOOK2文庫まで待ちきれなかったのだろう。
辞書編集の現場を舞台にした物語。出版社の中でも地味で、かつ長期間の労力を強いられる辞書編集にスポットを当てたあたり、目の付け所が渋くて面白い。物語も楽しく読めるけど、もっとたくさん辞書編集にまつわる様々なエピソードを読みたかった。前回書いた『県庁おもてなし課』と似た感想だけど、恋愛とか人間ドラマの部分にかける比重が大きくて、題材そのものを深く掘り下げられていない。せっかく面白い題材を選んでいて、取材もたくさんしているだろうに、もったいない。そんなに露骨にエンタメっぽくしなくてもいいのになと思う。ちょっと物足りなさを感じてしまう。
今回の本屋大賞ノミネート作品が発表されたとき、なんで『県庁おもてなし課』が入ってないんだろう?と疑問に思った。「ダ・ヴィンチ」の年間ベスト第一位だったし、有川浩は本屋大賞の常連で、『県庁』は大賞の有力候補のひとつだろうと思っていたので。
だから、有川氏が本屋大賞を辞退していたことが発表されて、ようやく納得できた。 この作品自体は、面白いか面白くないかで言えば、明らかに面白い。しかし、(ファンではないが)有川作品を何作も読んできた者としては「もういい加減ラブコメ的要素はお腹いっぱい」という気分。非行率的な地方の役所が民間からの刺激を受けて成長していくというストーリーは、目新しくはないが、まあ面白い。できれば具体的な仕事のエピソードをもっとたくさん読みたかったのだが、ベタなラブストーリーが複数同時展開していて、なんともこそばゆい。俺ももう若くはないから、こういうラブコメ要素が無駄なものに思えて邪魔くさい。もちろん、著者のファン層は若い女性中心だから、これでいいんだろうけど。もっと迫力ある作品を書く力がある作家だと思うんだけど、ラブコメやってる限りはあまり期待できないな。
芥川賞W受賞の後は文藝春秋がお買い得!というわけで久々に買う。石原慎太郎のラスト選評もあるし(黒井千次もだけど・・)。でも本当は尾野真千子の記事がいちばん読みたかったりして。
で、『共喰い』。読み終えて最初の感想は、「古いなー」。次の感想は、「懐かしいなー」。多くの人が言及しているように、中上健次をもろに思わせる雰囲気。「性と暴力」というテーマをストレートに表現した作品を久々に読んで妙に懐かしさを感じてしまった。昔ながらの「純文学」を濃厚に感じさせ、文学にとって普遍的なテーマのひとつであろう「性と暴力」を露骨に描いているあたり、「芥川賞」にはふさわしいのでは。時代遅れ、というよりは、変わらないものを書いている、といった感じ。ネット社会に背を向けて暮らしているらしい田中氏だからこそ、この、懐かしさを漂わせながらも決して懐古趣味ではない作品を、現在リアルに発表できたのかもしれない、と思った。 ここからは作品から少し離れた感想。田中氏はあの印象的な記者会見のおかげで、格段に注目度がアップした。あの会見がなかったら、地味すぎて絶対に売れなかったと思う(いま、単行本はベストセラー!)。しかし、あの会見とその後の報道からは、田中氏が性的に放埓な人物であるとはとても思えない。それなのに、作品中のこの過剰な性描写。そのギャップ、というのがまた文学の想像力(妄想力?)の凄みを感じさせて非常に興味深くはあるのだが、単純に「キモい」と思う読者も多いんじゃないかなと思う。それでも、スマートな円城塔氏より、田舎臭い田中氏の方が圧倒的に売れているという状況は、ちょっと痛快でもある。 でも、やっぱ、尾野真千子の「カーネーション」に比べたら、その面白さは足元にも及ばないなー。比べてもしょうがないけど。
『ピンクとグレー』加藤シゲアキ。『KAGEROU』に比べたら、だいぶましな内容かと思いました。自分がいる芸能界を舞台にしたところが、有利にはたらいたか。まあ『KAGEROU』を教訓にしたことは間違いないでしょう。ジャニーズファン以外の読者にも広まってくれたら、もう少し売り伸ばせるかな。
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